イタリア賛歌

 W杯が終わって寂しさを覚えるとともに寝不足にならなくてすんでホッとする気持ちがあるというような書き出しをしようと思っていたら、先に各所で書かれていました。まあ、アジア地域のサッカーファンに共通する心理なので被ってもしかたないですね。ので仕切りなおし。

 いつもはイタリアを応援しているのに「え、リッピ監督。攻撃的なイタリアなんてイタリアじゃなーい。今回の優勝候補はアルゼンチンだ」と予想してしまったが、きっちりリッピ監督に守備がとっても堅いのに点を取りそうな期待感を持たせてくれるチームを見事に作り上げられ、ちょっと悔しいけどすごく嬉しい秋山です。

 今大会のイタリアは素晴らしかったです。世界中がブーイングしてきても守ると決めたらきっちり守るふてぶてしさと、相手が少しでも隙をみせたらきっちり点を取ってくる抜け目無さ。本当に惚れ惚れするようなチームでした。

 ドイツ相手の準決勝。うーむ、イタリアが苦手とするPK戦に持ち込まれるかとハラハラしていたらきっちり必殺のノールックパスを決めてくれたピルロ。一点取られて攻めるしかなくなったドイツを見透かしたようなカンナバーロの高い位置からのボール奪取からの速攻は見事でした。デルピエロのループ気味のシュートも見れましたし、最高のカウンターでした。今大会の私のベストゲームです。

決勝でのジダンの頭突きの原因は憶測で語られているので分かりません。ただ、暴力は絶対にいけないことだけど、ジダンとかベッカムとかルーニーという偉大なプレイヤーって言うのはとても大きくて熱い感情を心にもっていて、それがあるからこそ偉大なプレイヤーになれるのかもしれないなと考えたりしました。

 でも、わたしはそういうジダンよりも、サッカー選手としては大きいとはいえない体格で常に相手の攻撃を跳ね返し続けたカンナバーロのほうが素敵だったし魅力的だと思っています。なぜカンナバーロはMVPになれないのでしょう。そんなにジダンのW杯にしたいのでしょうか?とても残念です。

 しかし、あのきっちり守って延長戦でも決着つかずPKまで持ち込まれては負けてきたイタリアが、PK戦を制して優勝するとはなんともドラマチックでした。不安で不安で仕方なかったですが、ピルロがゴールする確率は高いけどなかなか蹴ることが出来ないといわれている真ん中にきっちり蹴りこんだとき、私は勝って欲しいから勝てるかもという気持ちに変わりました。ブッフォンの読みはことごとく外れていましたが、まさかイタリアが5人とも決めてくるとはイタリアの勝利にかける気持ちの強さに打たれてしまいました。イタリア万歳。

 ですが最後に追記気味に。

 とても感動的な優勝でしたが、それとセリエA八百長疑惑とはまったくの別物です。ユーべやミランが見られなくなるのはとてもとても残念ですが、八百長をきっちりと処罰しなくてはセリエAは不正まみれのリーグになってしまいます。もうすでにそうだという意見もあるでしょうし、ここで処罰しても不正はなくならないという意見もあるでしょう。ですが、ばれても処罰されなければ歯止めが効かなくなり今以上の不正が横行するようになってしまいます。そんなセリエAは見たくありません。