ボランティアと機会費用

 安倍官房長官の「ボランティアの義務化」案が各所で話題になっています。私の考えはボランティアを強制って言葉としておかしいよって感想を出るものではなかったんですが。

2006-09-02

 大学進学には半年間の勤労奉仕が付随する事になったとしましょう.すると,大学進学のコストは

これまで=授業料+4年間の労働収入(−学生生活の中でのアルバイト収入)
勤労奉仕制度導入後=授業料+4.5年間の労働収入(−学生生活の中でのアルバイト収入)+やりたくもないボランティア(?)をやらされる

 さすが経済学者さんです。私も一応経済学部だったんですが、機会費用のことなど全く思い出しませんでした。身になっていなくて恥ずかしいです。

 私の家は大学費用をアルバイト無しで賄える経済状況ではなかったので、少し考えさせられます。授業料減免の申請をし奨学金を受けつつアルバイトをして何とか大学生活を送ってましたので、正直私の時期にこの制度があったら辛すぎます。

 そのボランティアの拘束時間がどれくらいか分からないので、大体大学の授業時間と同じくらいだと仮定すると、そのあとにアルバイトをするわけです。さらにボランティアをする場所が実家の場所などが実家のそばなら良いですが、大学のそばだとすると家賃や生活費も余計にかかります。生涯賃金も半年分減るわけです。望まない作業を強制されてさらにこれだけのデメリットがあります。

 想像していたらだんだん腹が立ってきました。祖父が総理大臣で父が派閥の領袖なんて家庭に育った人はこういったことには想像力が回らないんだろうなーという性格の悪いことを考えてしまいます。