「亡国のイージス」

 日本人は平和なことにコンプレックスでも持っているんでしょうか?国民の大半を飢えさせず、内乱も起らず、テロや暴動も起らない状態を保っていることをもっと大事に、そして誇りを持ってもいいと思います。

 確かに日本の危機管理能力には欠けている部分があって、そこはもっとしっかりとしなくてはいけない部分でしょうけれど、そこを覚醒させるために東京を爆撃すると脅したり、自らの命をもって日本を覚醒させるって感覚がどうにも理解不能です。

 俺たちが覚醒させなければ日本は滅ぶ的な考え方を持つ人は、ちょっと何かに酔っていて現実感が希薄です。こんな冷静な判断が出来なくてすぐに興奮してしまう人に日本の将来を任せたくないです。日本を救うために二・二六事件を起こした青年将校や、独断専行で戦争を拡大していった参謀たちと同じ匂いがします。

 その点真田広之さんが演じる主人公は地に足がついていて、その発言にも納得できました。もっとガツンと論破してくれてもいいのになとは思いましたが、そこを口で言わないのが日本男児なのかも知れません。

 原作の評判が高いらしい作品ですが、映画もそれなりに見ごたえがありました。原作はもっとよいとの評判なのでちょっと食わず嫌いしていたけど読んでみようかなーと思いました。